行政刷新会議による事業仕分けで、廃止の認定が下された『外交フォーラム』について、12月3日付のムネオ日記で、外務省が同誌を第3種郵便制度を用いて各方面に配布していることは、同制度の趣旨に反し、違法行為になるのではないかと指摘した。このことを4日付で外務省に質問状を送付したところ、今日以下の回答が届いた。読者の皆さんに全文をご紹介したい。
東京都千代田区永田町2−2−1
衆議院第一議員会館224号
新党大地代表 衆議院外務委員長
鈴木宗男殿
平成21年12月25日
外務省大臣官房
平成21年12月4日付質問状に対する回答は下記のとおりです。
(問1、問2及び問4)
・外交フォーラムを作成し、発行しているのはどこか。
・外交フォーラムは毎年何冊発行されているか。
・外交フォーラムの執筆者に対する原稿料は一人あたりいくらか。また、その費用を負担しているのはどこか。
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(答1、答2及び答4)
外交フォーラムは都市出版社株式会社が発行している。同社に聴取したところ、毎年の発行部数については公称30000部であり、原稿料については、執筆者の経験等によって異なるが、400字詰め原稿用紙1枚あたり3,000円から6,000円(税込み)である。
(問3) ・外交フォーラムの一冊あたり発行費用はいくらか。
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(答3)
お尋ねは、民間企業である都市出版株式会社の経営に係る情報であり、外務省として承知していない。
(問5) ・外務省は外交フォーラムを毎年何冊買い上げているか。また、その費用は総額でいくらか。
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(答5)
平成21年度は、年間で約108,000部購入している。費用は総額で約71,600,000円の見込みである。
(問6)・外務省は買い上げた外交フォーラムを国会議員はじめ各方面に配布していると承知するが、その具体的配布数、配布先及び配布に係る費用を明らかにされたい。
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(答6)
1.主な配布先は次のとおり。
@ 外交政策に関わっている人(国会議員、政党関係者他):約800部
A 中央において外交に関する世論形成に影響力を持つ人(マスコミ、学識経験者、経済団体他):約1,800部
B 地方等において外交に関する世論形成に影響力を持つ人(教育委員会、国際交流団体、商工会議所等):約1,400部
C 海外の日本研究機関等:約2,100部
D 図書館(公立、大学図書館):約1,300部
2.配布に当たっては、一般競争入札にて、落札した業者に発送を発注している。外交フォーラムの国内発送経費は、年間で6,500,000円、海外発送経費は年間で5,983,200円になる見込み。
(問7及び問8)
・外務省は外交フォーラムを、第三種郵便を用いて配布していると承知するが、確認を求める。
・外務省が買い上げた外交フォーラムを、第三種郵便を用いて配布していることは、同制度の趣旨に反し、違法行為に該当するのではないか。
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(答7及び答8)
1.外交フォーラムについては、平成7年5月29日に、発行元である株式会社都市出版が第三種郵便物の定期刊行物としての認可を受けていると承知しており、当省からの送付についてもこれを活用してきた。
2.同社は、今般の御指摘を受け、改めてその条件等につき確認した結果、第三種郵便物の利用取りやめの届出を提出する予定であると承知している。このため、外務省としても、今後は他の送付方法を活用して送付していく考えである。ちなみに、外交フォーラムについては、事業仕分け結果を踏まえ、来年度以降、外務省としての買い上げを廃止する方針である。
3.なお、これまで「有料発売条件の算定」の詳細については、本年7月の時点で関連の質問主意書が提出され、これに対する答弁書(平成21年7月17日内閣参質171第229号)において政府として回答していたことから、外務省としても、その時点で株式会社都市出版から「有料発売条件の算定」についての情報を収集の上、確認を行い、措置を講じる必要があったと考えている。また、今般の御指摘を受け、外務省が一括購入を行った上で第三者に配布しているその他の定期刊行物については第三種郵便を用いていないことを確認した。
(了)
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私はこの外務省の回答を評価する。指摘された事実を率直に認めようとする姿勢は多としたい。
12月2日、田中明彦東京大学副学長、北岡伸一、山内昌之東大教授らは、外務省が『外交フォーラム』を買い上げる制度を求めて記者会見をしている。外務省と組んで動いていた彼らは、この回答を見てどの様に考えるか。
彼らは2日の記者会見で、国益の観点から、外務省が『外交フォーラム』を買い上げる制度を維持せよと主張していた。しかし彼らは決してボランティアで原稿を書いていたのではない。相当の額の原稿料を受け取っていたのだ。
彼らは表向き国益云々を訴えるが、彼らが本当に心配しているのは「私益」ではないのか。今日の外務省の回答は、田中氏や北岡氏、山内氏らに較べれば遙かにマシなものだ。
話は少しそれるが、『外交フォーラム』2002年5月号に、「今こそ“外交不在”を克服するとき」との見出しで、田中氏が当時の小島明日本経済新聞社論説主幹、給田英哉丸紅経済研究所会長、宮内義彦オリックス株式会社会長と会談する内容の記事が掲載されている。その中で田中氏は、次の様に私を批判している。
〈最後に鈴木宗男議員の問題です。表面化したのは偶然ですが、実際には一九九〇年代後半からずっと続いてきた問題です。(中略)つまり、自民党の五派閥領袖体制が消滅して、派閥の長に言えばまとまるという体制ではなくなったとき、地元利益を誘導する政治家に対してどう役所が対応するかという回答がない。なぜこれが外務省で起きたかというと、外交問題と内政問題が結びつくようになってきたからです。冷戦時代、派閥体制がしっかりしているときには、派閥の長がそれなりに内外政の区別をしていた。ところが派閥の長が九〇年代に入って、自民党体制の中で機能しなくなった。そして外交関係者が内政に関連したことをやろうとするとき、どうしても自民党の先生に頼らざるを得なくなる。そしてその先生が突出したことをやっても、抑える領袖がいなかったという問題だと思います。〉(13頁)
〈それから自民党の先生方の意識も、依然として許認可権に関わる執行面に問題があると、役人を呼びつけてなんとかするというのが政治主導だということになっている。ですから、今回の鈴木議員の問題をきっかけに、大臣と副大臣と政務官がチームを作って官を主導するかたちで物事が動いていく方向に進むのであれば、日本の政治システム全体としてみると、いい方向に動いたと、私は期待を持っています。〉(16頁)
〈鈴木議員のような人を排除するところまではできたけれど、その後政治が外務省を指導する体制を実質的につくり上げられなかったら、やはり外交は機能しないでしょうね。だから、政治の側から、大臣や事務次官、局長に、外交戦略について積極的なインプットをするような体制をつくっていかなければ、いつまで経っても外交不在という漂流は続く感じがしますね。〉(17頁)
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田中氏は一体何を根拠にこう言うのか。この点について私は田中氏に14日付で質問状を出したのだが、田中氏の回答は「私としてお答え申し上げる点はございません」というものだった。何と不誠実な対応か。田中氏は国民の税金の尊さ、重さをいかほど理解しているのだろうか。
密約問題や在外職員の手当の問題、そしてこの『外交フォーラム』への対応を見ると、少しずつではあるが、外務省においてもようやく自浄能力が発揮されつつあるのかと感じる。これも政権交代の成果であり、ビロード革命が進んでいる証である。
しかし、私は手放しで外務省を認めているわけではない。
元々私は、この質問状を河相周夫外務省大臣官房長あてに出している。しかし、今日届いた回答の差出人は「外務省大臣官房」となっている。
「責任者は誰だ」と河相官房長に問い合わせをしたところ、河相官房長曰く、「これは岡田外務大臣の決裁も得ており、外務省全体としての決定です。所管は報道官です」とのことだった。しかし常識的に考えても、普通は差出人の名前を書くものである。所管が報道官ならそう書けば良い。手紙を書くマナーとして失礼な話だ。
この様な所に、社会通念とずれた外務省の姿が見え隠れする。残念ながら外務省の努力もまだ不十分だ。この点は厳しく指摘しながら、今後の外務省の対応を待つこととしたい。
今日は午前中札幌事務所で年末の仕事をする。午後列車で帯広に入り、後援会の会合等を5つこなす。
今年も残りわずか、慌ただしさを増してきた。
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