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朝日新聞の対ロシア外交の記事について |
| 平成16年7月18日 |
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7月18日朝日新聞朝刊に政府が対ロシア外交の新しい「対処方針」を定めたとの記事が出ていた。率直に言って、この「対処方針」で北方領土問題の突破口を拓くことはできないと私は思う。 「東京宣言」(93年10月)が、平和条約交渉の土俵を定めたもので、重要な文書である。この土俵とは、歯舞、色丹、国後、択捉の四島帰属の問題を解決して平和条約を締結するということであるが、実際に四島が日本のものになると約束したわけではない。「東京宣言」だけを基礎にしても、北方領土問題解決の可能性は5通りある(日4露0、日3露1、日2露2、日3露1、日0露4)。「東京宣言」だけを何百回ロシア側と確認しても北方領土は日本に近付いてこない。 過去11年の日露平和条約交渉の経緯は、「東京宣言」の土俵の上で、具体的にどのような内容を盛り込んでいくかということであった。外務省は過去11年、特に1997年7月の橋本元総理の経済同友会演説(信頼、総合利益、長期的な視点)以降の日露首脳交渉の経緯については、これを無視するということなのだろうか? 段階的解決策というならば、「川奈提案」も段階的解決であるが、このような方針もとらないということなのだろうか? 特に気になるのは、この報道で伝えられる限り、プーチンさんが大統領になってから首脳間で合意した「イルクーツク声明」(2001年3月)、「日露行動計画」(2003年1月)を日本政府が重視していないことだ。対露外交で首脳交渉には特別の意味がある。このことを日本政府はわかった上でこのような「対処方針」を定めたのであろうか? ロシアとの戦略的提携を深める中で北方四島の日本への帰属確認をする道を作ることができるというのが私の持論だが、日本外務省の方針は、昨年は北方領土問題を重視せずに原油パイプライン構想に熱中し、今度は領土問題を全面に押し出すというジグザグを示している。特に「プーチン大統領の早期訪日には固執せず、平和条約交渉の進展が整った段階で実現する」とのロシア人がいちばん嫌う条件を押しつけるメッセージをメディアを通じて出すことは外交技法として稚拙だ。 いずれにせよ、近い将来に日露外交がかつてなき混乱と迷走に陥るのではないかという危惧を感じる。 |
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