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創 2005年9月10日号 |
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言論の覚悟 鈴木邦男 外務省で宗男氏を支え、そのために逮捕された佐藤優氏は、その著「国家の罠 外務省のラスプーチンと呼ばれて」(新潮社)の中で、宗男氏をこう分析している。 宗男氏は他人に対する恨みつらみの話をほとんどしないという。これは政治家としては欠陥かもしれないが、それが佐藤氏には魅力だったという。政界は「男のやきもち」の世界だ。にも拘らず宗男氏には嫉妬心が希薄だ。これも意外な事実だ。さらには佐藤氏は言う。 「裏返して言えば、このことは他人がもつ嫉妬心に鈴木氏が鈍感であるということだ」 それを感知できなくて足をすくわれたという。なるほどと思った。もしかしたら「鈴木」姓にはそういう人が多いのかもしれない。
(中略) 話は外れたが、佐藤氏の宗男評は正確だと思う。他人の嫉妬心が感知できないから、脇も甘くなる。もっと弁解し、反論したらいいのに、と思う場面でもしない。たとえば、「鈴木宗男の本音は2島返還で平和条約を締結することだ」 と批判された。「鈴木宗男はとりあえず歯舞群島、色丹島の2島だけが還れば国後島、択捉島はどうなってもいいと考えている」と誤解された。マスコミでも叩かれ、学者に批判され、右翼の街宣車が押しかけた。 「それは全くの誤解なんです」と言う。 「歯舞群島、色丹島、国後島、択捉島の4島の日本への帰属が確認されてはじめて平和条約が締結される。これは日本国家の原理原則であり、譲ることはできない」 この点では一貫している。揺るぎがたい。問題はどうやってこの原理原則を実現するかだ。それに相手のあることだ。宗男氏は「段階的解決論」「2+2方式」 を提起してきた。現実的4島返還論だ。 しかし、性急な人々からは理解されない。真意が伝わらず、「ロシアと妥協するのか」「国を売るのか」とも批判された。 大声で、「即時4島返還!」と叫ぶことは簡単だ。「そうだ、そうだ!」と国民も拍手するだろう。でも、それでは何ら解決しない。スローガンだけを絶叫していて、それで何十年も経っていいのか。宗男氏はそこを憂慮する。 「現実的4島返還論」としては大きく分けて二つのアプローチがある。第一は沖縄返還方式で、4島に対する日本の潜在主権を確認し平和条約を締結し、次に施政権を返還を要求する。第二は、プーチン大統領が4島のうち歯舞群島、色丹島を日本に引き渡す可能性についてのシグナルを送ってきたことを捉え、この返還と、「国後島、択捉島の主権交渉」を区別して行い、その中で4島の帰属確認を目指す。話を聞くと論理的だし、現実的だ。
【創 2005年9月10日号】 より抜粋 |
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