文芸春秋

平成15年11月号


 
 
 
 
 
子供の頃に比べれば、拘置所の食事は天国のようで、『ありがたい、ありがたい』と頂いていました。」

娘は毎日メールを書いてくれました。『お父さんの姿を見て自分たちは生きてきた。何の恥ずかしいこともありません』と。

「処刑される朝にも読書をしている松陰に、弟子が『なぜそんな無駄なことをするのですか』と尋ねたところ、『何を言うのだ。人間死ぬまで勉強だ』と答えて、従容として死についたそうです。そうした歴史上の苦難に耐えた人に比べれば、自分などはまだまだ恵まれている、と反省しました。

「私はテレビなんていうのは怖いもんだと思うんですね。たまたま地声がおおきいだとか、なんとなく見た目が悪そうといった方向だけでことさらプレーアップされる。」

「外務省の人はえてして『蝶ネクタイにフォークとナイフ』の世界の人が多いですから。私のようにはっきりものを言う人間は、ちょっと異質の政治家と思われたかもしれませんね。

「私は、やる気のない人、間違った判断をする人に厳しく言っただけなんです。私から言わせれば国益を損なってきたのは、一部の心ない外務官僚の方なんです。」

「佐藤優さんや東郷さん、森(敏光)前カザフスタン大使達は、彼らは彼らなりに、真の外交官として国益のために一生懸命やった。そのためには鈴木宗男というのも道具の一つとして活用しただけだと思います。」

「頑張りすぎた、働きすぎたというのが一つあるでしょう。私のようなたたき上げの宿命なのかも知れませんね。

【文芸春秋 平成15年11月号】 より抜粋


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