共同通信 平成14年6月26日 

 
鈴木宗男議員事件
外務省で文書改ざんか 北方領土めぐる会談記録
鈴木、東郷追い落とし意図

【モスクワ26日共同】北方領土問題で、鈴木宗男衆院議員(あっせん収賄容疑で逮捕)と東郷和彦前オランダ大使(免職)がロシア側と二島先行返還の「二元外交」を進めた証拠として、日本共産党が三月に公表した外務省内部文書は、二人の追い落としを意図して原本が改ざんされた疑いが強いことが、二十六日までに共同通信が入手した原本のコピーから分かった。

また、川口順子外相が「出所不明」として調査を拒否したこの文書が、外務省欧州局ロシア課に保管されていたことも判明。鈴木容疑者や東郷氏の対ロシア柔軟姿勢に反対する外務省内の勢力が一連の文書漏えいへの関与に加え、文書の内容にも手を加えた可能性が指摘されている。

問題の文書は、昨年三月末のイルクーツクでの日本・ロシア首脳会談を前にした同月五日、鈴木、東郷両氏が東京都内でロシアのロシュコフ外務次官、パノフ駐日大使と会談した際の一問一答形式の記録。

原本のコピーと共産党公表の文書を比べると、削除や書き換えは三十カ所以上に上り「鈴木議員と東郷(欧州局)局長(当時)は政府の基本方針に反するメッセージをロシアに伝えていた」との説明書が付いていた。

特に平和条約締結後の歯舞、色丹両島返還を定めた一九五六年の「日ソ共同宣言」をイルクーツク共同声明に明記することについて「われわれが提案した」とのロシュコフ次官の発言を「東郷局長は提案した」に変え、東郷氏らが同宣言を基礎に二島先行返還を急いだ印象を与えている。

また「合意できなくても良いパートナーとして仕事ができた」と述べた次官発言など、東郷氏への評価がニカ所削除されていた。

政府、外務省はこの会談を「私的なもの」とし、記録の存在を確認していない。しかし、会談にはロシア課の事務官が通訳として出席。当時、ロシア裸長だった小寺次郎・監察査察官室参事官は二十五日、共同通信に「文書を見たような覚えがあるが、私的なものと認識していた」と語り、会談記録が作成されたことを事実上記めた。(了)06/26

【共同通信 平成14年6月26日】 より抜粋


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