SPA!

平成14年6月4日号


 
袋叩き&全否定だけの報道に異議アリ!

[バッシング→政治家]、あえて擁護論

国民の人気&期待感を反映した小泉内閣発足から1年以上。過去にない、ある種の“政治フィーバー”がこの国を覆っている。が、その熱も、今年に入っていわゆる「大物政治家」たちへの大バッシング大会へと変質。次々と標的が変わって繰り広げられるリーク合戦、スキャンダル一つで一気に全否定に流れる風潮に、疑問を感じているのはSPA!だけか?騒動の最中だからこそ、バッシングを浴びた政治家たちを各界の論客が[あえて擁護]という視点で再考することで、日本政治の病巣に迫ってみる。


“鈴木宗男”擁護→作家・明石散人

既得権者と商業ジャーナリズムによって角栄以来の庶民の星を潰してはならない

日本は守旧派の国である。既得権者である守旧派エスタブリッシュ集団は、新しい資質が世の中に登場してくるとそれをことごとく潰してきた。潰されたのは、平将門然り、織田信長然り、吉田松陰然り、坂本竜馬然り。戦後では田中角栄がそうだった。田中角栄という庶民から生まれ出た北斗の星も、先代からの権益を守ろうとする世襲議員と財界人らエスタブリッシュと、そこに張り付く商業ジャーナリズムによって潰された。

政治改革の本当の意味は、政治家主導による正常な議会制民主主義である。政治家は自分の理念を、官僚が持っている予算と能力を使って具現化する。官僚の言うなりにならず、本来の議会制民主主義を戦後日本で最初に実現した政治家が田中角栄であり、宗男氏だった。また、日本の米国一辺倒の従属外交のシフトを変えようとしたのもこの2人。角栄は中国に接近しようとして米国の逆鱗に触れた。宗男氏は米国でも、軍拡に勤しむ危険な中国でもなく、協力借款などでロシアとの関係を模索した。米国に従属することで成り立っている世襲政治家や財界、大新聞などの商業ジャーナリズムにとって、それは許し難かったのである。

そもそも、一連のムネオ問題の発端になったNGO排除問題からしておかしな話だ。

当該のNGOは、過去にモンゴルでの活動を巡って必要以上の補助金の交付を申請、それが発覚して外務省に200万円を返金したことがあった。アフガン復興会議においても、「草の根無償資金」から1600万円の補助を申請した。しかし、この資金は海外の個別プロジェクトにしか使用できず、彼らの申請内容では援助は下りない。それがなぜか外務省がOKを出す方向に話が進んでしまい、これを知った宗男氏が猛烈に抗議して案件は白紙に戻された。「お上は信用できない」というNGO側の発言は、こうした流れの中で出た言葉。この発言を聞いて、二度にわたって税金を詐取しようとしたNGOを宗男氏が怒鳴りつけたのは無理もない。参考人招致などで事の経緯の前段からきちんと説明しなかった彼の対応も悪かったが、調べればわかることなのに宗男氏を悪役と決めてかかる商業ジャーナリズムの姿勢はひどすぎる。

国後島でのチシマ桜とエゾ赤松の苗木植樹を巡る殴打事件はさらにひどい。1年も前から故郷に苗木を植えようと楽しみにしていた人たちを前に検疫証明書を忘れた役人を怒鳴ったのは、いわば勧進帳の世界である。安宅関を通る弁慶よろしく、義経役の役人を打ち据える。それを見ていた人たちは、「そこまでやらなくても……」と残念な気持ちが和らぎ、怒鳴りつけられることで役人も事なきを得る。それが宗男叩きの非道話としてリークされてしまうのだから何ともやりきれない。

たった8万人が3分の2の富を握っている日本で、鈴木宗男は庶民の星なのだ。貧乏で無力な庶民がエスタブリッシュに加担せず、こういうときこそ応援すべき。10〜20年に一人の、私たち庶民からの成り上がりを拍手喝采で応援する日本人の心根を、憐欄の情を思い出してほしい。そして、この宗男問題は商業ジャーナリズムと在野ジャーナリズムの戦いでもある。京極夏彦氏をはじめ、私の周りの心ある多くの文人たちも、また宗男氏を支持している。私たち庶民は田中角栄を失った過ちを二度と繰り返してはならない。(談)




私たちも擁護します

鈴木宗男編

政治家らしい政治家、国益を考えた政治家、宗男擁護論がダントツ

SPA!世代の「あえて擁護」の論旨はどんなものか?今回、4人の政治家への声を集めてみた。

まずは鈴木氏だが、4人の中で意外にも鈴木氏擁護の声がダントツ!その中身はさまざま。

「松山千春が擁護しているから」、「あれこそ、高度成長期を支えた日本のオヤジ」という間接的擁護。「奇麗事を並べる民主党なんかより、地元を愛するゆえの入札疑惑などは、むしろ政治家らしい」という“昔ながらの政治家”ぶりを評価する人。「官僚は自分たちを守るために、外務省の内部文書を勝手に出してくる。その文書を勝手に出してくる。その文書を使って野党が追求するなんてほんと愚か」など、野党批判を根拠にする者もいた。そして、彼の実績・政治家としての手腕から擁護する人も多い。


「『オレが取ってきたカネがなぜ使えない!』って、もし彼が取ってきた予算なら、お説ごもっとも。年俸制が敷かれているウチの会社だって、成績を上げれば給与も上がるし、使える経費の枠だって大きくなる」(メーカー・30歳)

「政治家は国を動かしてる。ウン千万円やウン億円くらいの話しでガタガタ言っちゃいけない。もし今回の騒動がなければ、宗男はいつか4島返還交渉を成立させていたかもしれない。国益を考えて動いた人間なんだよ!」(損保・35歳)

「ムネムネの場合、実はまじめで何かの目的を達成する前段階だったのだと思う。だから、プロセスでの細かいところに悪の意識はなかったんじゃないかな。報道の過熱ぶりも恣意的な感じ」(IT関連・33歳)

【SPA! 平成14年6月4日号】 より抜粋


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